「 レイテ島・タクロバン ~ ミンダナオ島・スリガオ 5月1日 」
サマール島南部のカトゥバロガンは漁師町。
宿のすぐ近くはもう港で、そこでは朝から市場が立ってて大賑わいだ。
港にある市場だけに獲れたての魚の群れはもちろん、肉や野菜など新鮮獲れ高マーケットと化しており、めちゃくちゃ楽しい朝散歩となった。
活気があると眠気も吹っ飛ぶよな!
海人は世界の共通語
ダブルダガーボート
フィリピンは肥沃な海に囲まれた島国だと実感
新鮮な魚はどれも美味そうで刺身でカブリつきたくなる。やっぱり生魚を見ると本能的に食欲が沸いてくるのは日本人の血がたぎるからであろう。
醤油に漬けてペロリでも良い。焼き魚であつあつを頬張るのも良い。煮魚で夕飯時を思い出す匂いに包まれるのも良いな。
日本でよく見る魚もあんま見ない魚も仰山おった
お魚コーナーは生臭いが、市場の奥に入って行くとお肉の生臭さも漂い、さっぱりとしたフレッシュベジタブルの清涼感も感じられる。
余談だが、フィリピンの野菜市場はベジタブルという個体を単品で売るんじゃなくって、店先でカットしてそれぞれのお店独自のミックスベジタブルにしてから売ってるお店が多く見られた。こんな売り方をしている野菜市場はフィリピンが初めてだったし、その国の台所事情を垣間見れる独自の文化にびっくりしたのと、なんて上手い商売なんだ!って感動もしたなぁ。
鶏肉屋さん
フィリピン・マンゴー屋さん!
子供も朝からお手伝い
ミックスベジタブルにして売るとはやるなフィリピ―ナ
こんな食材を目の前にして市場をうろうろしてたら腹が減る。そんな折、ナイスタイミングで市場食堂を見つけたので朝メシだ。
「市場の食堂にマズイものなし」という言葉があるように美味かった。というよりハチャメチャ美味かったぞ!
フィリピンにもこんなに美味しいご飯があったんだなって、朝から泣きそうになるくらい美味しかったよ。
鶏レバー煮・チンゲン菜刻み炒め・トロトロ豚肉煮汁定食380円也
朝の市場散歩でお腹も満たし、街中へと足を運ぶ。と言っても、午前中には次の街へと移動をしたいので30分くらいの街散策。
ローカル路線バス乗り場とジプニー乗り場
フィリピンの地ビール・サンミゲル運搬トラック
原付にダサい日除けを付けるのが流行ってた
歴史を感じる古い家並み
さて、この先どこへ行こうかという問題。
最終地点はミンダナオ島のダバオと言う名のフィリピンの中で第三の都市と言われているビッグシティだ。帰りのヒコーキはこの街から離陸するので最低でもあと4日後の5月5日に到着すればぎりぎり帰国便に間に合うのではあるが、せっかくの有名都市なため2日間くらいは滞在したいと考えている。
当初、頭の中で考えていたルートはこのサマール島からレイテ島へ行き、そこからフェリーでセブ島へと渡りボホール島を経由してさらにフェリーを乗り継ぎミンダナオ島へ辿り着こうというものであった。
だけど思ったより島国フィリピンは縦長で、行き当たりばったりの移動だと時間もかかることが判明し、もうそんないろいろと島巡りしている時間は無くなってしまったのである。
なのでとりあえずは早めに南下するため、次の目的地としてレイテ島のタクロバンを目指しさらに南下してフェリーでミンダナオ島へ入るルートにしようということに決めたのだ。
ここカトゥバロガンから、グランドツアーズの15人乗りハイエースバンでタクロバンへ出発したのは11時半だった。
車窓から眺めるサマール島は南国の景色も通りゆく町や村の風景もどこか素朴で懐かしいアジアの情景を思い出させてくれていた。
1時間も走るとサマール島の南端の海峡に辿り着いたが、レイテ島へはサン・フアニーコ橋という全長2.6kmもの立派な橋をバンで渡り、3つ目の島・レイテ島へと渡ることが出来た。
レイテ島は割りと発展している町並みが多く、またしても国境を越えたような、違う土地へ来た実感が湧いてきた。
田舎風景がどこまでも続く
川かと思ったら海峡だった件
トライシクルのいろいろな形 自由だ
どこの島もインフラ整備中
カトゥバロガンから2時間くらい走っただろうか、大きな港のある大きな街へ着いたと思ったら、そこがレイテ島のタクロバンだった。
グランドツアーズのターミナルはドデカいショッピングモールの裏手にあり港の真横にあった。
時間は13時半になるところだったから、もうこのままミンダナオ島まで行っちまうかとスリガオと言う街へ行くバンを探すが、このターミナルからは出ていないとのことだ。
ナヌ~~~! せっかく勢いで先に進もうと思ったのに今度は次の街まで行くバスターミナルを探すところから始めなきゃならんのか・・・・ 正直めんどくさい。
赤コーナー ダンキンドーナッツ
青コーナー ミスタードーナツ
面倒くさいからこのままタクロバンで1泊してもイイかな?なんて思いつつ、まだ時間はあると港近辺を散策してたら客待ちしている乗合トラックの運転手に話しかけられた。
「 どこまで行くの? 乗って行きなよ~ 」
「 えっ?どこって・・・・ ミンダナオ島のスリガオに行きたいんだけど、バスターミナルまでそのジプニーもどきは行くのかい? 」
「 行くよ。でもダイレクトにスリガオまで行けるローカルバスはないよ? 区切り区切りで乗り替えて行かなきゃなんないから、俺たち地元民はそういう時はバッチャロールのバスで行くんだよ。」
「 なんじゃそりゃ? どこにあるんだ?そのバス乗り場は!?」
「 ちょっと待ってろ! 」
乗合トラックの運転手は営業中なのに運転席から降りて、近くを通りかかった別の乗合トラックの運転手となにやら話を始めている。
「 この運転手に話しておいたからこいつに乗っていきな! 終点に着いたらトライシクルに乗り替えてバッチャロールって言えばオッケーさ! 」
この街で1泊もありかと思ってたんだけど、偶然が必然となりスリガオまで行けるルートが開拓されたため運転手の好意に感謝し、地元の人達がその方法で行くならとこの話に乗ったのだ。
天気が良かったタクロバンの街
乗合トラックはこんな感じだ
郊外のショッピングモールのちょっと先が終点だった
トライシクルに乗り替えてバッチャロールへ向かう
タクロバンの空は高くて明るい
バッチャロールとは、バッチャロールツアーズという民営の長距離エアコンバスのバス乗り場のことだったのだが、なんとこのバスはナオキーズ!の最終目的地・ダバオ行きのバスじゃあないかよ。
なんかいきなりゴールが見えちゃってちょっとがっかりと言うか、え?これ、スリガオで途中下車じゃなくてそのままダバオでもいいんじゃね?とか思ったりもしたけど、まぁ、何時間かかるか分からないし(絶対長時間かかる)、まだ日程に余裕はあるからスリガオまで今日中には着くだろうしこれでいいやってなった。
が、出発時刻は15時でスリガオまで10時間はかかるぞ、と衝撃の返答。
てことはだよ?スリガオ到着時刻は深夜1時ってことじゃん?ダメな奴じゃん・・・・一番乗っちゃダメな奴じゃね?と一瞬躊躇したけど、いまからまた街中まで戻るのもかったるいし、あの気のイイ運転手兄ちゃんとの良縁もあったし、なるようになれと流れ重視でバスに乗り込んだ。
15時に出発したバスからのレイテ島の眺めは、山間部が多くまるで日本の山の景色のようだった。レイテ島と言えば先の大戦で日本陸軍も海軍も激戦地として戦ってた島ってな印象なんだけど、あの頃の軍人さんもこの島の景色に日本を思い出して好きな場所だったんじゃないかなぁって感じたよ。
長かったが、ついにレイテ島南部のフェリー乗り場サン・リカルドに到着した。19時40分。
港にはカーフェリーが停泊しているがもうパンパンだ。これに乗ればあと1時間か2時間でスリガオに到着じゃん!22時くらいに街に着くならこの際御の字だぜ!なんて思ってたが、無情にもそのカーフェリーは20時になると我らを置いて出航してしまったのだ。
なんだよ、あれに乗れるんじゃなかったのかよ。次の便はいったい何時になるんだ?
「 この港で次の便を待つんだ。それまでにフェリーのチケットを買っておけよ? 22時に出発するからな! 」
えっ・・・・!? あと2時間もこの何もない港で待つの? スリガオ着いたら本当に日が変わっちゃうじゃない!
またしても「フィリピンは待つ」の修行モードへ確変突入。。。
ヒマ潰しが大変だったけど、真っ暗な港から見上げる夜空は満点の星空だった。
22時どころか、0時になってようやく見えたフェリーの到着に心が震えた。。。
港からは遠く対岸に小さな灯りがいくつか見え、すぐそこなのに手の届かない空虚感と、4時間半とは思えない膨大な時の流れを感じ、バス移動の疲れと眠気で昇天しそうだったので本当に安堵感に包まれたのだ。あぁ、これでやっと前に進めると。。。
夜の海は真っ暗で船が動いてるのかどうかも判別が付きにくいが、低いエンジン音がグオングオンと船底から響いてくるのでどうやらミンダナオ島へちゃんと向かっているようだ。
1時間くらいの夜の航海は少しだけ怖かったが、無事にミンダナオ島のスリガオ港に着岸した。
ここからまたバスに乗り込み街中のバッチャロールのバスターミナルへ向かうのだろうが、ココまで来るともう何時に着くのだろうとかは考えなくなっていた。
結局、バスターミナルに着いたのが深夜2時10分・・・・
流れ重視でタクロバンから乗り込んだ島越えのバスは、出発から11時間もかかったことになる。そのうち4時間半は港でのフェリー待ちとなったのだが。
そしてこの時間帯から宿探しなど出来るハズもなく、幸いにも大きめのバスターミナルで同じような境遇の深夜着難民がベンチに幾人も眠る姿を見て、ナオキーズ!もその一角に寝床を構えたのであった。
まさかの記念すべき令和元年の初夜に野宿することになるとは思いもしなかったが、令和の時代のナオキーズ!の旅路も波乱に満ちた楽しいものになるのだけは約束されたよな。
めでたし、めでたしだ。
Surigao,Philippines 01/may/2019 From Naokys!
あの忘れられた名旅ブログ ナオキーズ! 『 ぶらっと、旅る。 』
早くも2019年第二弾企画始動。
令和元年となるゴールデンウィーク。ナオキーズ!俺旅はどこへ行く!?
「GWPT~ ゴールデンウィーク・フィリピントリップ~」に決定!
マニラからダバオまで、ローカルバスを乗り継ぎフェリーで島を渡り南下するフィリピン縦断珍道中の旅日記に乞うご期待!!
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