「 高原列車でトロトロと 」


BlogPaint


 その高原列車から眺める車窓は「アジアで一番美しい車窓」と呼ばれるほどの景色だそうだ。

 古都キャンディ-から、茶畑で埋め尽くされる丘陵地帯の山間地域に入り、いくつもの山あいの村を通過した終着駅「バドゥッラ」までの区間を、のんびりと(およそ8時間)列車に揺られて旅をした。


RIMG6116

 キャンディ駅のホームで高原列車を待つ


RIMG6115

 1stクラスは売り切れだそうで、2ndクラスと3rdクラスしかないとのこと。

 別に気にする事もなく2ndクラスの切符を買ったが、駅員は言った。

 「2ndクラスだけど指定席じゃないよ。むしろ席無いよ。」と・・・・


RIMG6113

 駅のホームには外国人ツーリストで溢れ返っている。

 この人達みんな同じ列車に乗るのだろうか?

 みんなバドゥッラまで行くのだろうか?

 さっきの駅員の発言は謎だが、こいつらと空いてる座席の取り合いになりそうだ。約8時間の列車の旅で座れないのは拷問だろ、楽しくもなんともないじゃないか!?

 もし、本当にみんな同じ列車なら相当気合いを入れて乗り込まなきゃだな。


KIMG6733

 列車は到着予定時刻より20分遅れてキャンディ駅のホームへ滑り込んできた。

 が、あろうことかすでに車内は満席状態・・・・ 立っている乗客だっているじゃあないか。

 おそらくこの高原列車の始発はコロンボで、すでに乗車率100%のところに途中駅のキャンディから我々は乗ったということなのだろう。

 そんな列車に予想通りホームにいた外国人ツーリスト達が殺到して乗車口へ集まっている。

 しかも全員人間1人分はあるであろうバックパックを抱えてるもんだから、座るどころかまず乗れんのか?ってな話。

 案の定、乗車率200%と化した車内へはなかなか乗り込めない・・・・ スシ詰め状態だから奥の車両内へ入るよりも最後に乗り込もうなんて考えが甘かった。 まったく乗れる気がしないぞ。

 列車は5分以上停車して、全員無理やり詰め込むまで発車しなかった。

 とにかく朝の通勤ラッシュのピーク時に全乗客がバックパック背負って電車に乗ってるような事態が巻き起こった。

 そう。今、頭の中で想像したことが本当に現実に起こっていたのだ。スリランカの電車内でモッシュ状態だよ


RIMG6125

 ギリギリ確保出来たナオキーズ!の場所は乗車口付近。

 当然ドアなんてない。ドアの概念すらない。

 ちょっと押せばこのカップルは転げ落ちる。


KIMG6736

 誰もが驚いたのは、このモッシュの中を数人の物売りが車両を行き来していたことだった。

 しかしマトモには歩けないので売り物が入った駕籠を乗客が先へ先へと送り込み、後から売り子ががんばって人と荷物の間を通り抜けるというなんとも間抜けな一幕が繰り広げられたが、これがどうして、車窓を眺めることも出来ないやることのない中での共同作業として、乗客たちの心をひとつにしていたのだった。

 誰も買いはしなかったが。


RIMG6129

 そんな高原列車のスタートを切ったが、殺伐とした雰囲気ではなく、車両内ではコロンボからずっと乗って来ていたスリランカの若者集団が太鼓を叩き歌を歌う。

 それに釣られ中国人観光客の団体も合わせて歌合戦となり騒がしくも和気あいあいとしたものとなった。

 長い旅路をみんな覚悟していたので、混んでようがこの状況を楽しむ方向へ思考をチェンジしたのだろう。旅のひとつの思い出としてしょうがないと諦めての全力で笑顔だった。


KIMG6743

 車窓、というか乗車口からの眺めもスリル満点。

 だんだんと山あいに突入だ。


RIMG6136

 丘陵地帯へ入り、山肌に茶畑も増えてきた。

 キャンディーバドゥッラ間を走る高原列車は、スリランカと言えば紅茶!と言われる由縁でもある一大産地がひしめき合う高原や丘陵地帯へ山を登り進んで行くので、このような茶畑の山肌景色がいつまでも続くのだ。壮大である。

 このあと8時間も同じような景色が続くのだ。壮大で、、、ある。


KIMG6749

 立ちっぱなしの高原列車の旅も4時間半を経過すると、紅茶の銘柄でも有名な「ヌワラエリヤ」の駅へと到着した。

 ここで吉報。

 なんと乗客の半分が下車したのだ。

 キャンディからの観光客は高原列車の雰囲気を味わいながら紅茶の産地「ヌワラエリヤ」へ行くことが流行りの観光コースのようなので、そのおかげでとても助かったよ。


KIMG6754

 しかし「ヌワラエリヤ」から乗り込んでくる外国人ツーリストもまた多数いるわけで、なんとか座れたものの窓側ではなく通路側。立っている乗客もいるからおいそれと「世界の車窓から」ごっこに興じることもなく、淡々と高原列車は高度を上げ丘陵地帯を走って行く。


KIMG6759

 あいかわらず茶畑が続く。

 天候は雨だったり、晴れだったり、曇りだったりと山の天気は変わりやすいの実体験だ。


KIMG6767

 下界の遥か下のほうまで見渡せるほど高度は上がったようだ。

 周りの景色も雄大さを増して「高原列車」というよりは「高山鉄道」。


RIMG6143

 通路側の席に座ってからさらに3時間が経過。

 「エッラ」駅へ到着すると、始発のコロンボやキャンディから乗り続けてきた乗客も、ヌワラエリヤから乗り込んできた外国人ツーリストもみんな降りた。

 どういうことかと言うと、まるでここ「エッラ」が終点の駅かと思う程、文字通りみんな降りたのだ。

 今、車両に残っている乗客は、コロンボから乗り続けて太鼓を叩き歌を歌いまくっていた陽気なスリランカの若者集団7~8人とナオキーズ!唯一人だ。

 これで心置きなく「世界の車窓から」ごっこに浸れるというものだ。

 やっほーーーー!


KIMG6782

 さっそく調子に乗ってはしゃぐことが出来た。


KIMG6788

 ぐんぐん進む高原列車君。

 トンネルが多いのもこの路線の特徴だ。


KIMG6807

 さらに危険な荒業にも挑戦!!(列車停車中…)


KIMG6801

 実はそんなにスピードが出ていないことが発覚。

 ディーゼル車は馬力があって登り坂には強いのだが、遅いのだ!!


KIMG6809

 「エッラ」から「バドゥッラ」までの小一時間、彼らはここぞとばかりに太鼓のみならず、シートやペットボトル、つり革でリズムを叩きだし、ずーーーと歌を歌い続けていた。

 そんなBGMをバックにひとり右へ行ったり左へ移動したりとシャッターを切り続けるナオキーズ!であった。


RIMG6148

 本当の終着駅「バドゥッラ」駅に高原列車は滑り込むと、長い列車の旅路も終わりとなる。


RIMG6149

 ようやく辿り着いた。 

 朝の9時から出発して到着時刻は夕方17時。


RIMG6150

 「バドゥッラ」駅の外観。

 植民地時代の名残があって小さくて可愛い駅舎だった。


RIMG6154

 町の中心部へ向かって歩く。

 この町には1泊だけの予定なので手頃な安宿を求めて、ついでに町歩きも兼ねてずんずん歩く。


RIMG6155

 滅多に観光客も来ないのであろう、看板から英語表記が消えた。。。


RIMG6156

 こういう素朴な、なんにも無いちょっと汚い町が割りと好きだったりする。


RIMG6158

 スリランカの定番、町の中心地の時計塔がなんとデジタル表記!!!!

 丸っこい字で埋め尽くされた田舎の町のハズなのに。。。ハイテク!?


KIMG6814

 陽も沈みかけ、綺麗な夕焼け空が町の上空を覆う。1日の終わりに素晴らしい光景だ。

 ある意味「アジアで一番美しい車窓」よりも、ずっとこっちの方が俺にとっては美しかった。



RIMG6168

 そして仕事を終えた象と象使いが、なんの違和感もなく車道を歩き帰宅している Σ( ̄ロ ̄|||)エェッ!?

 もちろんこの光景に驚いてたのはナオキーズ!だけ。

 これがバドゥッラの夕刻の日常風景なのだ。


RIMG6172

 お手頃な食堂を見つけたので夕食だ。


RIMG6169

 インディアン・アーッパと呼ばれる米粉の麺にカレーをかけて頂く。

 スリランカでは朝食の定番だが夕食時でもオーダー出来るのだから問題はない。

 小さな赤いアリが大量に麺の上を歩いていたがフーーッってやれば問題はない。


 8時間の高原列車の車内ではマトモな食事にありつけなかったので「空腹はスパイス」とは良く言ったもの。

 もう、なんでも美味いのだ


  
 Badulla,Sri Lanka 17/sep/2018  From Naokys!

 あの忘れられた名旅ブログ ナオキーズ! 『 ぶらっと、旅る。 』

 2018年早秋、ナオキーズ!俺旅の目的地は激辛と噂の仏教アイランド・スリランカ。

 『スリランカピリ辛仏教巡り』の旅に乞うご期待!!


  胸躍る最新blog配信❗❗



     ランキングに参加しています!

  面白かったらポチッ とな 

    


   
   放浪記 ブログランキングへ

    
    にほんブログ村 旅行ブログへ
    にほんブログ村