「 もうひとつのインド 後編 」 2009年7月18日~7月22日



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                ヴィヴェカーナンダの巨像 インド最南端に立つ


 ナマステ~!

 ナマステという挨拶も南インドではあまりポピュラーではなく、ハローのが通じいいな。

 せっかく覚えてきたヒンドゥー語の数字もこの地ではあまり役に立たん。

 各地から南インドにやってくるインド人観光客の話を聞くとやはり言葉の壁はでかいらしく、タミル語をヒンドゥー語に訳す通訳ガイドがいないと何の遺跡だか寺院の歴史とかも意味が分からんとの事だ。

 そりゃ、俺が理解できんのも頷ける話だよな。

 
 かつてチョーラ朝は東南アジアにも進出してたので、現在のカンボジアやマレーシアやバリヒンドゥー、シンガポールなどに根付いているインド文化は全てここ南インドから来てるんだってよ。

 そういやシンガポールのインド人街の文字はタミル語だったし、マレーシアの大人気喰い物ロティはこっちのパローダと一緒だ。 

 カンボジアのアンコール王朝もバリのヒンドゥー寺院もゴープラムなど南インド式寺院の影響受けてるしな。


 インド大陸を東海岸経由で時計回りにをようやく半周した。

 ついに大天竺の最南端、コモリン岬のカニャクマリに到着したのさ。

 
 前編での最終地点・タンジョールから、ここ最南端カニャクマリに来るまでに滞在した街は1ヶ所だけだ。

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                道路と並走する 海列車の線路&鉄橋  


 そこは大昔からあるインドの叙事詩「 ラーマヤーナ 」の伝説の舞台となった場所。

 スリランカとのつなぎ目みたいな半島の先の島。

 その街の名は、聖地ラーメーシュワラム。

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               ラーマナータスワーミ寺院の寺夜景 遊園地ではない

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                寺院を四方囲む回廊 


 ラーマヤーナの舞台となった土地、と言うだけで来ては見たのだが、ちょうど祭りの時期っつーんですげえ混んでんぞ!!

 ここは海が沐浴場になってて傍にラーマナータスワーミ寺院が併設。

 なんちゅうか、どっからこんなに人が出てきたの?ってくらい朝の海岸は沐浴客で埋まってた。

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                   久々の人ごみに 躊躇する

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               朝陽に向かって みな 拝む

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                 ここが海とは 思えねぇよ・・・・


 インド人は海が大好きなようで、でも泳ぐんじゃなくって波打ち際で遊ぶ。

 洋服着たまま、男は上半身だけ脱いで、そりゃもう子供も大人も同じように最高の笑顔を持って全力で遊んでる。 羽目をはずして調子に乗った奴しかいないのだ。

 ラーメーシュワラムよりさらに島の先端、スリランカにより近いところににダーナシュコディという漁村がある。

 そこはラーマ王子が妻シータを助け出す為に、ハヌマーン軍団に命じてスリランカまでの島の架け橋を造らせ、島と島を足がかりにして飛びながら渡ったとされる第一歩の場所だ。

 せっかくここまで来たんだから、スリランカを望む(実際見えはしない)その伝説の場所も見たいのが人情だろうと思うが、大半のインド人はそこまで行かずに手前の村の端のビーチで皆足留め。

 そこでもう波と戯れ遊びまくってるのだ。

 いやでも、雨季だしびっくりするくらい波が荒れてんのよ。

 巻き込まれたら小さな子供とか一瞬でいなくなっちゃう波だよ? 巻き込み崩れ系。

 それでもそんな事ものともせずに楽しそうなインド人達の顔を見てるとこっちもワクワクしてくるよ。

 そうだな、俺も早くビーチリゾートに行きたくなっちまったな。

 ラーマヤーナの伝説の地も見たし、海岸沿いのラーマナータスワーミ寺院も堪能したしで、さっさと移動してビーチリゾートに近づこうぜい!

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              ダーナシュコディの漁村・・・・  こりゃ、人の家か・・・・?

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                 海水浴には向かねぇ季節の到来

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         この先こそがスリランカ  グーグルマップで有名なアダムス・ブリッジへと続く道 


 一路、夜行バスに乗り込み、10時間の長距離移動でカニャクマリへGOだ。

 しかしここにきてその夜行バスってのが日本で走ってる市バスと同系のバス・・・・

 全くこんなシートじゃ眠れないし、体がエコノミー症候群起こしちまう。

 南インドのバス旅は快適だと言ったが、やはりここは南でもインドだということを付け加えとくぜ。


 そして早朝4時半に到着したのが、カニャクマリという街だ。

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                      夜明けを待つ 最南端の朝べ

 インド大陸最南端のコモリン岬は、ベンガル湾・インド洋・アラビア海の3つの海が交差する3000年以上も前からの聖地なんだと。

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                 左が東で 右が西 太陽昇って 陽が沈む

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                スティングレーも 喰い放題(カレー味)


 インド地図を思い浮かべてもらえば気付くだろうが、最南端がシュッとなってる。

 だからここにいれば東の海から陽が昇り、西の海へ陽が沈むのが見れてしまうのだ。

 そんな神秘なとこから【部分日食】が拝めるなんてすげえと思うんだけど、いかんせん今このタイミングで雨季なのですよ。

 その太陽と月のショーを3日後に控えてここに来てもう2日目、全く東の空は晴れることなく朝陽を拝むこともなかった。

 毎朝水平線上は曇ってて、ようやく太陽が雲を越えて顔を出した頃にゃ、それはすでに日の出でも朝陽でもなく・・・・


 そんな期待もしてなかった22日の日食当日、いつもの海岸へ早起きして朝陽を観に行く。


 おっ?

 今日は雲も少なくもしや見られるかも。

 しかし日の出は見れたとしても、部分日食はいったい何時から始まってどのくらいの時間見れるんだ?

 昨日の現地人の情報だと、5時半から10時までの間には見れるよってアバウトな情報を貰っただけだった。
 
 まぁ、時間はあるし日食始まるまで海岸で待つか。

 遊び道具を用意して待機も万端だぜ。


 日の出の時刻は6時10分くらい。

 いつもその時間は雲が多いが、その日の朝はほぼ雲がない。

 しかし水平線から顔を出す朝陽は望めねえ。

 駄目か・・・・ もうちょいなんだがな。

 ・・・・と、半ば諦めてたその5分程のち。


 
 水平線の少し上、雲の切れ間から強烈な日差しが差し込んできた。


 うお、おぉぉぉぉぉ!!



 でっけえドッカリした太陽が三日月の形で空に浮かんでた。



 みかんの一粒みたいなオレンジで、東の空に奇妙な異空間を演出してた。



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          知らないでこんな太陽昇ってきたら この世の終わりだと思う光景な


 しっかし、なんだな。 もう部分日食は始まってて、太陽:月-6:5の割合ですでに欠けてんぞ。

 周りにはインド人観光客が日の出沐浴に大勢訪れてて、みんな拍手をしたり拝んだりと思い思いに部分日食に魅せられてるよ。


 昨日はローカルホリデーでヒンドゥー教シヴァ派のお祭り日。

 ここはバングラディッシュ(←世界一の人口密度を誇る国)か!! と思うほど海岸は人で埋め尽くされてた。

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                こんな海水浴場はイヤだ  男率90%・・・・

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                日食当日より、昨日の祭りの方が人が多い インドのさすが


 今朝はそこまでではなくある程度の人数だったが、それでも昇る太陽はあからさまなシヴァムーン(三日月のこと)を形作ってて、まるで昨日の祭りを引きずっているようだったぜ。

 俺も思わず拝んだよ。

 まさか【部分日食】がしっかり観れるなんて正直100%思わなかったからな。

 まさに運が良すぎるとしか言いようがねえね。

 太陽に拝んだけど、神様仏様悟様ありがとー!!って拝んだもんな。

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                摩訶不可思議怪現象 朝陽だからグラサンいらず


 こんなら聖地バラナシでガンガーから昇り出るキレイな皆既日食の方を見に行くべきだったかぁ?

 いやいやいや、タラレバったら罰金1万円だぜ。

 【2009年7月22日にインド大陸最南端・カニャクマリで部分日食をみてやろう】というここでの目的は果たせた。

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                  目標達成ーー! 俺はカニャクマリで日食をみた

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                  目標達成記念!! チョコモカ至福の組み合わせ



 これにてインド半周終了。


 さあ。

 また次の新しい冒険が始まるぜ。

 インド1周後半戦はひとまず南インドを西海岸方面へ北上、ビーチ攻め。


 次なる計画を立ててこの調子でガンガン行ったろかい。


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                 早く次の木曜日が来ますように ニンニン

                                       
                                                   From Naokys!



※2009年5月20日から2009年10月22日までの五カ月間にわたった抱腹絶倒な大天竺一周の旅、あの名作【 インド道 】シリーズがリメイクされ、ナオキーズ!旅ブログ 『 ぶらっと、旅る。 』にて蘇る。


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