ぶらっと、旅る。 

   人生の半分を夏休みに捧げたいアラフォーバックパッカー・ナオキーズ!(The naokys!)  過去に辿った一人旅を焼き増ししたり、これから行くであろう冒険浪漫な旅路をドドドッと書き綴る狂い咲き旅日記

          ~  The naokys! presents  俺旅  ~

2015年07月

 『 インド道 27th 』


          「 源流顛末記 ~表~ 」 2009年9月16日~9月19日



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               ウッタルカシ行きのバスからずーーーっと眺めてた…


 9月16日(水) ~第一日目


 12時半、とりあえず目的地ガンガーの源流への起点の村・ガンゴートーリーへのダイレクトバスは無く、乗り換え地であるウッタルカシ行きのバスに乗り込む。
 
 喉風邪を患ったようで鼻詰まりと喉のイガイガが気になる。

 座席に座り出発まで1時間ほど待つ間、暑くて身体がじんわりと汗ばみ、それが冷えて冷たくもなり、体調は完全に不調だ。

 待つこと1時間、ようやくバスは出発だ。

 リシュケシュの市街地は砂埃と排気ガスでかなり空気が悪く、喉を直撃して症状が悪くなりそう。

 すぐに山道に入りぐんぐん登って行くが、道もかなり整備されてて眺める景色も良い。

 川沿いに沿っての行程だが、まだガンガーは現れていない。


 2時間半経過。

 昼食休憩の後、ガンガーが谷間に現れる。

 どこまでも山と谷とのV字を眺め、バスはぐんぐんと進む。

 持参したマスクをしてるせいか息がしづらい。

 高山病に対して一番駄目な気がする。

 そう、俺は2000mくらいから高山病の症状が現れるヘタレ体質なのだ。

 だが、バスはまだ標高を上げない。

 一つ一つの山を登っては降り、登っては降りの繰り返しで先へ進む。

 その山々には畑や棚田が広がり、山地に暮らす人間の多さに驚かされる。

 道幅も広く、車のすれ違いも容易なので快適かも。

 そうは言っても、ネパールのように片側崖で片側谷だ。

 そしてパキスタンのカラコルムハイウェイのように至る所に土砂崩れの痕あり。


 5時間経過。

 それまでとは少し景観が変わり、谷間のガンガーが湖のような大きさになる。

 その両岸に田んぼが広がりどこまでも続く。

 山と谷の標高差が見るも激しくなっている。

 その山腹を車道が走っている。


 7時間経過。

 やっとウッタルカシという目的地までの約半分の地点の町に到着。

 夜になったがバス停近場に宿を取り、宿泊。


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                やっとたどり着いた 途中の乗り換え町ウッタルカシの宿前


 9月17日(木) ~第二日目


 朝、7時にガンゴートリー行きのバスに乗り込む。

 一応、国道にはなっているがここから先は悪路だ。

 道幅は車1台分、舗装されていない山道もあり、バスは揺れに揺れる。

 岩山が多くなり、切り立つ崖ばかりになる。

 かなり下方の谷底をガンガーは流れている。

 だいぶ山の急流とういう雰囲気になってきた。

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               山間のガンジス まだ子供のようだ

 2時間半経過。

 砂埃と排気ガスが喉を痛めつける。

 鼻詰まりが涙目を誘う。

 道も悪く体調も思わしくないのでバスが辛い。

 しかし、外の景色は次第にヒマラヤへ近づいているのが分かる絶景。

 体は不調でもこの景色の中に自分がいると思うと胸が高鳴る。

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                 途中の休憩スポット チャイが全ての活力源

 3時間経過。

 V字の山間の向こうに、白雪を抱くヒマラヤ山系が青空を背景に白く輝く。

 なんたる絶景。

 標高が上がった為、乾燥してきているのか詰まってたはずの鼻水が消える。

 ガードがなくなった鼻と喉を砂埃が直撃する。

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                永久に解けない雪山が目の前に

 4時間経過。

 いつの間にか眠っていたようだ。

 酸素不足のせいで眠ってしまったのだろう。

 起きると山はヒマラヤ杉の森となっていて、ガンゴートーリーももうすぐだ。

 残り10km、一気に山を駆け上がる。

 両手の指先が痺れ始めてきた。

 とうとう高山病の症状が現れてしまった。

 意識する間もなく鼓動は早まり呼吸回数も増えている。

 それが更なる喉の乾燥を呼び、水が手放せない。

 頭痛も伴い3000mを越えた事を認識した。

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                ガンゴートーリー寺院 もうふらふらだった…

 5時間経過。

 ガンゴートーリー到着。

 標高3048m。

 俺、ひどい頭痛と歩くたびにめまい。

 高山病は重度ならすぐに下山するか、軽度なら順応するまで安静にしていないと危ないが、明るい部屋を確保したのですぐさま横になりベッドに倒れこんだ。

 夕方、何か食べなくてはと起きだすが体の自由が利かない。

 頭痛は止まらず、つらい。

 それでも飯を喰い、ガンガーを拝みに川へ向かう。

 すぐ脇のガンゴートリー寺院も参拝してすぐ宿に戻る。

 激しい頭痛に時間の長さを呪いながら、ただひたすら痛み、苦しみに耐え続ける。

 おまけに水下痢にもなる。



 9月18日(金) ~第三日目


 昨日の夕方から2時間毎に目が覚めては頭痛に際悩まされ、また無理矢理眠るの繰り返しでようやく朝を迎える。

 頭痛を遠くに感じる。

 だいぶ体が慣れてきたのか。

 しかしもう下山する決心だ。

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               流れはだいぶ速く 水は氷のように冷たい

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                穏やかなガンガーとは打って変わって激しい始まり


 ガンガーの源流に会えるゴームクへは18kmのトレッキングをしなきゃならない。

 行程は早くて一日、ゆっくり登って一泊二日。

 氷河から流れ出るその源流は標高3892m地点。

 俺、高山病。

 何よりも、俺、サンダル・・・・

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                この先にゴームクがあるのだが 俺もうギブ

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               ロバが重労働を担っている 俺を乗せてくれないか

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               ガンゴートーリーの町並み ヒマラヤ杉しか生えてない


 帰りのバス・乗り合いタクシーのメドが立たない。

 誰に聞いても要領を得ない。

 2時間探して2時間待って、ようやくバスに乗り込む。

 が、バス内で2時間待ち。

 今日中に下山出来るのだろうか。

 体調は酷い。

 高山病に加え風邪の初期症状が悪化してきてる。

 朝の8時からバスを探して結局バスは14時半に出発した。

 30分ほど走っただろうか、標高も300mくらいは下がったのだろうか。

 当然だが、あれほどの頭痛がぴたりと消えた。

 酸素、復活。


 高山病と言う名の病の不思議・・・・


 バスはものすごい混み具合。

 一番前のシートに座ってるにも係らずエコノミー症候群になりそうだ。

 窮屈で揺れる最悪なバス。

 風邪がさらに精神に追い打ちをかける。

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               標高が下がって 洗濯女子を盗撮する余裕も生まれた

 3時間経過。

 かなり標高が下がったと見える。

 ずっと乾燥し放しだった鼻水が復活し涙目に。

 それと同時に蓄膿気味の偏頭痛に襲われる。

 辛いだけのこのバスの唯一の救いは車窓からの外の絶景だ。

 ふとした時にこの外界を目にすると不思議に全身の不快感が一瞬だが消えてくれる。

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              斜面に水田 山しかない土地の知恵 棚田

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               どこまでもこんな景色 緑がみずみずしい


 6時間経過。

 また夜になりウッタルカシ到着。

 標高1188m。

 今夜はここにて一泊だ。

 恐ろしく体調が復活した。


 9月19日(土) ~第四日目


 朝6時半出発のリシュケシュ行きのバスに乗り込む。

 目下のところ鼻詰まりだけが最大の敵だったが、何故か勝手に咳がしこたま出る。


 1時間経過。

 きっちり整備された国道に出る。

 崖あり谷あり滝あり土砂崩れありだが、道が広くて良いと言うだけで快適だ。


 2時間半経過。

 あの湖のような母なる大河・ガンガーと再会。

 時間の流れの遅さも気にならない。

 気持ちに余裕ができ、バスの座席にも余裕があるからかも。

 相変わらすの砂埃・排気ガスで空気は悪いが、景色がそれをカバーしてくれる。

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                支流がいくつも集まって 気が付くとこんな大きく育っちまって…


 7時間経過。

 リシュケシュのバススタンド到着。

 この砂埃と排気ガスの空気の悪さはいったいなんなのだろうか?

 カトマンズよりも東京よりも空気が吸えない。

 喉風邪は悪化し咳風邪になる。

 結局源流には辿り着けず、自分の体の弱さを思い知っただけのツライツライ旅路だった。


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               やっと着いた下界は リシュケシでさえ俗界に見えた

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                これで刺青が彫れる インドの偉大さ

                                             From Naokys!


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               アタマ隠さずシリ隠さず  早く来週も読みたいモォ  


 
 ※2009年5月20日から2009年10月22日までの五カ月間にわたった抱腹絶倒な大天竺一周の旅、あの名作【 インド道 】シリーズがリメイクされ、ナオキーズ!旅ブログ 『 ぶらっと、旅る。 』にて蘇る。



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『 インド道 26th 』


 「 梅雨前線北上中 」 2009年9月10日~9月15日


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              インド北方聖地のひとつ ガンガー沿いに建つ街・ハリドワール


 みなさん、雨はお好きですか?

 僕は好きです。



 あのしとしとやさしく降るせつなさ。

 時に激しく落ちてくる猛々しい雨粒。

 晴れ間に降る雨、ひねもす降り続ける雨、朝の雨、日曜日の雨。



 梅雨時の六月最中に産まれ、奇しくも水曜日に誕生し、水も弾く玉のような子供時代を経て、水も滴るイイ男に成長した僕は雨が好きです。



 し・か・し・・・・



 デリーに着いたその日の朝は土砂降りで、傘を発明した奴の機能的不完全さに怒髪天を衝き、インダス文明より劣る21世紀の首都デリーの排水の悪さを馬鹿にする。


 なんですか? この雨量は!? 

 もう雨季は過ぎ行く頃合いですが、なにやら地球が悲鳴を上げ泣き叫んでるかのように降ってますよ? 雨。

 そりゃですね、雨というのは恵みの雨ですし、雨が降ってこそ我々人類は生き永らえる事が出来ますよ。

 大切です。 重々承知しております。

 で・す・が、言わせてもらえばですね、旅人目線で大変心苦しくはありますがね、夜行バスでひと晩かけて移動して到着した早朝っぱらから超大雨土砂降りで道路が河になるほど降るってーのはですね、いかんせん、もうなんと言うか、いい加減にせー、と言おうか、あのですねー。
 

 フ・ザ・ケ・ン・ナ っての。



 なんだ? これ。

 この状況で宿探しに動かなきゃならん人間の気持ちをお前は考えた事があんのか?

 何度目だ? このクソレイン、おっ?

 何が恵みの雨だって?

 畑に降れ、畑に。

 あと砂漠とか乾燥して雨の必要な所に降れよ、てめえ。

 こんな雨降ってゴミ固まるみてぇな、ド汚ねー街に大雨降らせるんじゃないよ!

 オールドデリーのメインストリート、パハールガンジのメインバザールのあの道を、くるぶしまで水に浸かってビーサンで歩くって行為がどれ程勇気のいる事かってのが分かって降ってんのか?

 もう次の街に移動してるであろう明後日とか、明々後日とかに降るなら降れよ、この水野郎!!


 ・・・・そうです。 どうやら雨季が少しずれているようなんです。

 どうりで南インドを周っているときは大して雨も降らずに、あぁこれなら旅がし易いです。なんて快くも思っていたのですが、ちょっと雨降る時期が遅れてきているのですね。

 北へ向かえば向かうほど雨の日が多くなってきていたので、あれ? もしかして? とは思ってはいたのですけれど。

 今年は雨が少ないという話も小耳に挟んでいましたし。

 でもまさかここに来て雨が続くとなるとかなり困り者ですよ。

 何故ならデリーに到着したと同時に文字通りのインド大陸を1周する、という事は終わりました。

 そして残す所はちょい上の、北方面のヒマラヤ山岳地帯近辺なのですから。

 その界隈へ向かう道が山道かどうかは知りませんが、ネパールやパキスタン北部のように土砂崩れが頻繁に起こって通行止め、なんて事になったら大変ですものね。



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              デリーのパハールガンジ 1周して戻ってきたら舗装されてた…


 そんな心配を胸に、僕は次の日には朝からちょっとリッチなAC列車に乗り、ハルドワールというガンジス河が山脈から平野に踊り込む入場門のようなヒンドゥー教の聖地にやってきました。


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           なんと朝食付き!!エアコン付き!! こんな列車もインドにゃあるよ

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     AC列車の車内の様子 座席しかない 人が少ない 整然としている インド列車では珍奇な光景



 ハリドワールで泊ったホテルはとても綺麗で清潔で広くて明るくて見渡しも良い4階の豪華な部屋で、なんとも満足のいく快適空間です。

 小高い山頂にあるマンサー・デーヴィ寺院を見渡せて、歩いてすぐには流れの速い上流ガンガーもあります。

 得てして雨季に降る雨というのは、夕方近くになり、日中太陽に熱された蒸気が空に溜まり大きな積乱雲となって支え切れなくなった水滴を怒涛のように落っことすスコールという名の短期決戦が常であります。

 その日も午後になると、黒くて大きく立派で猛々しいアレが空を支配してきました。

 察知した僕はさっさと部屋へと戻り、この空の泣きっ面を鑑賞しながら部屋でくつろごうと思ったのです。

 ポツポツと、降り始めて来ましたね?と、思う間もなくその粒は大粒となりその量を増し、点けていたTVの音さえもかき消す大音量がハルドワールの町を覆うのです。

 窓から眺める景色は流れる、打ち付ける滝が如く水量で何も見えなくなりました。


 その頃です。

 なにやら水しぶきが部屋の中にいる僕を濡らしたのは。


 どこか窓が開いてるのでは? とすかさず窓辺に近づくと。

 なんと窓枠の下の壁から水が漏れ出しているではありませんか!?

 それも横に長い範囲で塗装にヒビが入り、そこかしこから大雨がなだれ込みだだ漏れです。

 この雨量とこの勢いですよ? あっという間に部屋中の床が水溜りと化したのです。



 すかさず部屋を出てレセプションまで助けを呼びに行こうにも、これまた屋上から浸水してきた雨が階段を伝いホテル内に侵入しており、そのまま廊下から階段へ何かデパートのカラクリ噴水のようにキレイに流れて下へ向かっています。

 僕のビーチサンダルは良く滑り、濡れたホテル床の大理石はスケート場みたいでやっかいです。

 手すりを必死に掴み一歩一歩慎重に階下へ向かいました。

 部屋の様子をスタッフ達に伝えてはみたものの、すでにホテル自体も水浸し、ホテルから外を見るもガンガーがここまで増水してきたのか? と勘ぐるほどの水が前の道を流れ走り、そこら中の建物の屋根から滝のように落ちてくる雨を、スタッフ達、いやこの町の住人はみな笑いながらただただボーゼンと見守るしかないようでした・・・・

 「 この雨だ。 しょうがないよね? 」



 ・・・・おい、クソボウズ。

 たかだか1泊500円だが俺は金払って泊ってんだ、おい。

 てめえ、客の為になにかしろよ、なにかよー。

 部屋が水浸しなんだっつってんだよ!


 そう伝えると、それは大変だともう一人に言いつけて他の空いてる部屋を点検させに行きました。

 あのー、僕の部屋は?


 人を気遣うという行為、ましてや 「サービス」 という言葉がインドに存在しないのを思い出した僕は、勝手にホテルの水切りを片手に取ると、またあのカラクリ噴水の中を滑らないよう慎重に階段を昇って自分の部屋まで戻りました。


 そうして降り続ける豪雨と流れ込んでくる雨水を、終わることの無い回り続ける輪廻が如く、延々と廊下にかき出すのでした。


 部屋は清潔感がありシンプルで広くTVもありさらに安い、かつて無いほど最高の部屋に泊れたと喜び勇んでいた僕ですが、今までになく最低な部屋に成り下がった部屋に2泊もしましたが、ちょとの雨さえ降らなければそこは本当にとても良かったのです。 雨さえ降らなければ・・・・

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              こんなキレイなお部屋が水浸しに… んなバカなってくらいキレイよ

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              あの窓枠からダダ漏れに… カーペットも勿論びっちょりだぜ!




 ハルドワールを流れるガンガーの河の水はさすが標高も高く上流に近いだけにとても冷たく、足浴でさえ3分と浸かってられません。

 しかし、敬虔な信者達は全身を何度もガンガーに潜らせ神へ感謝をしています。

 雨季の為でしょうか、思ってたよりも水は濁り、それはチャイの色と同系色です。

 その聖なるチャイを巡礼者はポリタンクに詰めてお持ち帰りです。

 ハリ・キ・パイリーというガートでは、プージャという女神ガンガーへのお祈りの儀式が毎夕行われます。

 僕はそれを見る為にそこで待っているのですが、またしても小雨が降り続いてきました。

 嫌な予感がしましたが、そこを離れるわけには行きません。

 プージャを見ないとこの町に来た甲斐がないのですものね。


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               ここで沐浴せんでどこでする! 冷たいのにご立派です

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    流された人用に欄干からびっしりと鎖が下がり橋げたにはゾウやワニもいて抜かりなし
 

 不思議な事が起こりました。

 祈祷が始まった夕方の六時半、炎を掲げた幾人ものヒンドゥー教信者が高々とその炎を暗闇迫るガンジス河の上に突き上げます。

 急流な暗いガンガーにその情景が映り込んで何とも幻影的な川面です。

 そしてそこにいる全員が神への賛歌を唄うのです。

 すると、なんとその間だけ、ずっと数時間も降り続いていた雨が只の一滴も降らなかったのです。

 そうです。

 プージャが始まるやいなや降り続いていた雨が止んだのです。

 僕も初めはプージャに夢中で気が付きませんでした。

 しかしその間、確実に雨は止んでいました。



 プージャ自体はものの10分程度で終わるというなんとも物足りないものでしたが、その祈りの儀式も終わり、人々が帰途に着こうと動き出した時に、いきなり来たのです。

 そう、土砂降りの大雨が。
 
 それがヒンドゥーの神様の力なのか、人々のガンガーへの想いの強さなのかは僕には分かりません。

 しかしこういう偶然のような不可思議な事がしばしインドでは起こり得る事なのです。

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             雨天決行 雨具用意で みなのやる気が感じられる

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              短時間だが雨がピタリとやんでたお祈り儀式の瞬間


 偶然は必然であり、必然は偶然起こる。

 聖と俗が表裏一体として常に日常に入り込んでいるインド次元だからこそ、目に余る体感が出来てしまうのかも知れませんね。

 そしてそれこそが、「インド」が人を惹きつける魅力のひとつなのでしょう。


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               あくる日 街はなんかのお祭りパレードだった

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               遊具の移動ではなく あくまで大人のお祭り行事

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     ロープウェイで小高い山からハリドワールを一望 ガンガーが三日月型なのが聖地たる所以

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        ガンガーの中州に立ち ハリドワールを守るシヴァちゃん カッコイイ、男前



 2009年9月15日未明、僕はハリドワールを離れ24km先のリシュケシュという町に進みました。

 その町はヨガで有名で、ビートルズでも有名で、ガンガーの上流の谷間に挟み込むように存在しています。

 やはりここも雨季の影響でしょうか、薄汚く灰緑なガンガーが悠々と、それでいて留まることなく流れ続けています。


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       リシュケシュ アッパーエリアのラクシュマン・ジューラー橋 牛や猿も勝手に渡る

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                      渡し船も一応運行中

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            ダウンエリア ラーム・ジューラー橋 インド各地から観光客もやってくる

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               イケメン神・シヴァ(2013年の洪水被害で流されてしまった)

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            チョティワラという有名レストランの客寄せゆるきゃらチティワラさん

                      

 「SURYA」=「太陽」。

 これまた偶然でしょうが、ヒンドゥー語で太陽を意味するスーリヤという名のホテルに泊っているのです。

 午後雲行きが悪く山を霧で覆っても、僕が雨に濡れると言うことはまだありません。



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                   リシュケシュガンガーに沈む夕陽


 偶然が必然でそれが運命であるのなら、これから神の存在を確かめに行って見ようかと思っています。



 母なる大河・ガンジスの最初の一滴、源流を目指して。



                                            From Naokys!




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          来週の木曜日も「ぶらっと、旅る。」が読めますように。。。 ボ~~レナ。
                              
                                      
                                        
                                                  
 ※2009年5月20日から2009年10月22日までの五カ月間にわたった抱腹絶倒な大天竺一周の旅、あの名作【 インド道 】シリーズがリメイクされ、ナオキーズ!旅ブログ 『 ぶらっと、旅る。 』にて蘇る。

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 『 インド道 25th 』


  「 次回行ったら沈没間違いなしタウン 」  2009年9月6日~9月9日


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                  ラジャスターンの涼しげな街並み~


 プシュカル。


 なんとも爽快で炭酸っ気のあるライトな名前。

 その町はヒンドゥー教の聖地であり、珍しくブラフマー神を讃える寺院を持つシャンティ・ホーリープレイス。

 水色な町だ。

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                  ガートな一部 水位が全くない…

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               雨季なら一面水溜りなハズだが・・・・?


 町の真ん中にはプシュカル湖という小さな湖があり、その周りはいくつも連なるガートに囲まれてる。

 残念な事に今回その湖の水は半分以下。

 最初、何だ? この町死んでんの?って思った。


 泊った宿は中心地よりちょい離れたトコでコテージだ。

 そのコテージはレンガ造りの円形で、葺き屋根は円錐型。

 コテージ後方に備え付けのバスルームはレンガで囲ってあるだけで、屋根は無い。

 昼間は青空と太陽の下、夜は月明かり、満点の星の下で身体を洗い用を足す。

 無邪気な開放感が心地良し。


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                カワイイらしげなコテージ 1泊600円

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                 こういうお宿はもう最高ーー!! いいとも~!


 ビュッフェ。

 そうこの町にはいくつもの食堂にビュッフェがブレックファースト・ランチ・ディナーと取り揃えてある。

 それを常に食すのがこの町に来た目的だ。

 観光は二の次だ。


 オム・シヴァ・レストランという3階からの眺めが良いレストランが地球の歩き方に載っていたんでそこに通った。

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                 いつでもビュッフェ 選べる楽しみにニヤニヤだ

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                 レストランからの眺め 景色味もプラスされるのだ

 他にもビュッフェ方式のレストランを見かけたが、高い所から下々の民を見下ろすのが趣味な俺はここばかり通った。

 どーせインドだし、味に関してのクオリティなど誰も求めてないからな。

 そうです。

 実はそんなに美味しくないです。

 でも腹一杯になることは請け合い。

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                これな  汁系ぐちゃぐちゃだがインドなもんでヨシ


 されど最後に出てくるデザートのひとつ、ココナッツクラッシュをまぶしたチョコドーナツは涙が出る程美味かった。

 これはビュッフェレストランでありながら自分で取りに行くのではなく、食事のラストにおまけデザート的な立ち位置として提供されるものであった。

 大きさはバングボールくらいで(串団子一個を一回り小さくした大きさ)そんなに大きくないけども、ミスドのココナッツチョコレートドーナッツを思わせる味、プラス餅々とした食感が口の中でチョコの味覚を膨らまし、その微妙な大きさが物足りなさを弄び、もうひとつ!と欲するがまた次回来店しないとそれを口にする事が出来ない。

 というとんでもなくツンデレなテイストに惚れてまった。

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                ホントはけっこう混んでるのよん 時間帯によりけり


 この町が好きだ。

 何か知らんがこの町が好きだ。

 取り立てて何があるって訳でもないのだが。



 お土産屋さんは 「 ハロー!ジャパン! フレンド、カム! 」 といちいちウザい。

 寺院参道のお供え花屋や預かり処の連中は、金の事しか考えてないBTKR(ボッタクリ)インディアン。

 砂埃舞ってすぐ目と喉が痛くなるし、乾燥してて陽射しは暑い。


 腹立つムカつく嫌気さす。


 でもとても好きになった。


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               意外にツーリスティックなメインの通り

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                実はアーティストの集う街でもあるのだ
 

 湖を囲むように町が建ち並ぶ、円を描く小さな異空間。

 そこには古い建物が中東の雰囲気を漂わせ、道々はバラナシのベンガリートラを匂わせる。

 ツーリスティックな店、レストラン、ゲストハウスばかりが目に付くが、何故だか上手い具合にその空間に溶け込んでいる。

 巡礼にやって来た各州からの独自様々な装いの人間が牛と犬とバイクと山羊と行き交い、その中を俺が歩いてる。


 本当に俺は今ここを歩いてるのだろうか?

 テレビを見ててそう思ってるだけなんじゃないだろうか?

 ってなナチュラルトリップ具合。


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                建物の外壁には細かい絵が施される

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                ダンジョンに迷い込んだような現実の街

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               一番高い山頂からの プシュカル一望の図

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               プシュカル湖に 陽が陰る 刹那デザートタウン


 旅をしてる実感ってのはこういう時に良く訪れる。

 知ってるようで知らない世界。

 子供の頃本で読んだおとぎ話の世界。

 夕映え色の世界の日常。

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                 旅に夕暮れは かかせない 

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                 ひどく感傷的になる自分にどっぷりと酔う ウォェ                  



 夜、宿までの帰り道は暗い道。

 牛のうんこが確認できないくらい暗い道。

 ビーチのような砂道で砂漠を感じさせるが、両脇には誰も泊ってないホテルや、暗い民家、畑やそこを囲ってる木々の柵が続く。

 ほんのりとたまに点いてる電灯もなくなる裏の一本道を5分程歩く。

 虫の鳴き声が肝試しを連想させる。


 怖い。

 いまここでおばけが出たらどうしよう。

 いや、人やおばけならまだしも、夜間狂い出す野犬が何匹も周りに潜んでたらどうしよう。

 まてよ? 犬ならともかくサソリとかコブラがこの草むらから飛び出してきて襲われたらもう一溜まりもないぞ、足元が見えないくらい暗い。

 どうぢよう・・・・

 と、恐怖心に心を奪われマイナス思考が炸裂していたまさにその瞬間・・・・!!



 シャリリ~ン


 と、鈴の音が夜の闇を寂しげに通り抜けた刹那、左側建物の脇道から真っ黒い大きな体格のラクダが、


 のそ~り。


 と、飛び出てきた。

 俺とそいつのその差、わずかに1・5m・・・・



 もう超ーびっくりした!


 まさか星明りしか無い真っ暗な夜道に、放し飼いの黒ラクダが現れようとは。

 色々怖いマイナス思考だったのに、全然予想外・・・・。


 誰も思わんだろー、こんな暗がりから2mはあろう黒いラクダが脇道から飛び出てくるなんて。

 誰が予想できようか、この非日常的な展開を・・・・


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                こんなの野放しにしちゃダメッ!ゼッタイッ!!


 ラクダはデカイから昼間でも怖いのに、めっちゃ近いし!!

 そいつは俺のびっくりを気にもせず、と言うか俺の存在すら気にせずに、その辺の枝草をムシャリと食んでるよ。



 いや、これには参った。

 マジ本当に超びっくりしちゃった。

 

 てか・・・・ ラクダの放し飼いは止めてくれ。



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     僕たちはいつだって自由気ままに生きてるのさ そう、毎週木曜日を楽しみにね、かあさん!



                                            From Naokys!



※2009年5月20日から2009年10月22日までの五カ月間にわたった抱腹絶倒な大天竺一周の旅、あの名作【 インド道 】シリーズがリメイクされ、ナオキーズ!旅ブログ 『 ぶらっと、旅る。 』にて蘇る。



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 『 インド道 24th 』


 「 行くつもりなんてなかったんだよ、でも呼ばれたもんだからしょうがない、つい寄ってみたのだよ 」

   ~2009年9月5日

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                  一口サモサと一口チャイで小休止


 インド1周を目的として俺は今せっせと大陸を駆け巡っている。

 なかなかうまい事ぐるっと周れてる気がしていたのだが、インド大陸の真ん中あたり、ボーパールって街から先へ進むルートが暗闇に包まれてしまったのだよ。

 ド真ん中だけにどこにだって行けるのがむしろ悩みのタネ。

 どうすっかなぁ、こっから。

 もう時間もないし、一気にデリー戻ってさくっと北方領土巡って、さくっと帰国かなぁ?なんて考えてた。

 でもデリーまで一気に、ってのが列車にしろバスにしろ長~~い移動になる。

 もう長時間の長距離移動とか無理なんですけど・・・・ 年齢的体力的精神的に弱。

 そんでおっさん、だいぶ疲れ溜まっとる気がすんぞ?


 …と、思い悩むも思いがけなく旅日程がちょびっと寿命延びた。

 俺の事前の蓄えのおかげでどうにか10月後半までは最悪延ばせるのだ、インド道をまだ往く事を。

 まぁ、実際そこまで長引くこともないだろうが。

 でも日本で待ってるハニーは俺のそんな裏読みのせいで、さらに待ちぼうけの破目に・・・・ ごめんな。

 君も大好きだが、インドも好きなんよ。

 「 あ~ぁ~、男の人って いくつも愛を持っているのね~ 」

 って昔っから鬼嫁も歌ってるっしょ。



 ということで、俺がインドの中でも大好きなラジャスターン州にあり、まだ訪れたことのなかったウダイプルとプシュカルに行くことにした。

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               何気ないラジャスターンの街並みも落ち着くのさ


 しかし今いるボーパールの街からウダイプルという街に向かう直行列車は無しだと。

 近場の街の駅に行くにも乗り換えないと行けなくって、直行便はないんだと。

 せっかく行く気満々だったのに、いきなりめんどくさくて挫折か?

 諦めてデリー行きの列車でも取るかいな。

 しばしインド全図を眺めつつ再検討。

 今回は一度行ったことのある地域や街はなるべくスルーしてた。

 そうしないと1周なんて出来ないし、なるべく無駄を省きたかったから。

 それでも中継地点となるデリー、コルカタ、ネパール、チェンナイは致し方ない。

 何度も行ってるバラナシ、プリーはもう運命だから致し方ない。

 ボンベイなんかはまさに無駄。

 ましてやグジャラート州なんてかすりもしないって思ってた。

 でも、このインド大陸のド真ん中から這い出す為には西に抜けにゃあいかん。

 ここからダイレクトで行けて、かつウダイプルに近い街。

 それがアフマダバードだった。

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               とにもかくにも 列車にて駅に到着したぞよ


 アフマダバードはかつて1日観光で階段井戸とかの名所も見てるのでもう興味はない。

 きったねー工業地帯の煙巻く大都市のイメージしかないし。

 だから今回まさかグジャラート州に足を踏み入れるとは思いもしなかったよ。

 しかしそのグジャラート州が、

 「 インド1周してんだって? だったら俺んとこにも来てくれよ! 」

 って言ってる気がしたので、とにかく夜行列車に乗り込んだ。

 朝8時10分、アフマダバード駅到着。

 駅前のホテル街がちょっと小奇麗になってる気がする以外に他はどこも以前来た時と変わっとらんみたいだな。

 波のように押し寄せるリキシャワーラーの、

 「 どこまで行くんだ、さあ乗れっ! 」

 つー、高波をうまい事サーフしながらちょっと離れた通りまで出る。

 そこでオートリキシャを捕まえて、長距離バススタンドへと走った。


 バススタンドに着きリキシャから降りた瞬間、

 「 ウダイプル? 」

 と声がかかる。

 お前は超能力者か!と思わせたその男は1台のバスを指差し、

 「 あれだ。 」

 と言う。

 いや、しかしもう走り去ってますが?

 聞くともうこのあとしばらくウダイプル行きのバスは出ないと言う。

 何気に2人でバスの後を走って追いかけ、そいつと一緒にリキシャにまで飛び乗りバスを追跡。

 信号付近で捕まえてそのウダイプル行きのバスに何とか乗れた。


 結局、グジャラート州には駅からバスに乗り換えるまでの、たった20分しか滞在しなかったぞ。

 一応呼ばれたからには、バスの時間まで暇があればちょこっと観光を、なんて事も考えてたけど、もう呼びっぱなしでほったらかされたなぁ、すぐバス見つかったし。

 一瞬だけでも立ち寄れば満足かい? インド人っぽいな気の変わる素早さが。

 列車とかですっごく仲良くなったのに、下車時に気付くと挨拶もなしに突然いなくなってる、みたいなね。

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                ここではラクダも一般車両だ

 グジャラート州はインドで唯一の禁酒法がある州。

 酒飲むと刑務所行きだ。

 そんな州とラジャスターン州の州境をバスで越えた途端、ラジャスターン側にレストランがあり、

 「 BAR&BEER 」

 って看板がこれ見よがしに掲げてあった。

 みんな酒好きだもんなぁ、インド人も観光客も。


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               砂漠の気配を感じさせるインドの西、ウダイプルの街


 ウダイプルはホワイト・タウンと呼ばれてる。

 湖の綺麗な城壁に囲まれた旧市街の街。

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               街中にはかつての王宮もそのまんま


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                 泊まった宿は共有スペースがカワイイ


 しかし俺がここに来た最大の目的は、そんな栄華を誇った時代のロマンチックな情景に浸る事ではなく、ローク・カラー・マンダル民族博物館へ行く事に他ならない。

 ここはラジャスターンの持ち技・操り人形の博物館であり、昼間と夜にパペットショーを演ってるんだぜ?

 世界の伝統芸能研究部、中でも人形劇推しのザ・ナオキーズ! 行かなきゃ生まれてきた意味がないでしょ。

 夜の部も合わせて見るために夕方博物館へ向かう。

 がしかし。

 夜の部は、やってませんってよ?

 え? だって俺、パペットショー見たいが為にウダイプルまで来たんだよ?

 列車乗ってバス乗って19時間もかかってさ!


 昼の部のちょっとしたショーは演るから、まあそれまで館内でも観ててよ。

 と促されがっくり肩を落としながら博物見物を始めると、ちょっとだけ元気が出てきた。

 気分が楽しくなると全てがチャラになるね? 人間の感情っていい加減だね!


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                祭壇のようなパペットケースがおいらも欲しい…

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               お面も人形も… もう博物館ごと丸ごと欲する

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                ヘナタトゥーのデザイン画 お洒落女子にかかせない

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              ドン・ガバチョ的体型と 褐色のキャラ達  あぁ… 楽しぃ…

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               さぁ~、始まるざますよぉ!

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               回る回る あちしは回る@@@@@@


 見物が1時間も過ぎると、外で待たせてたリキシャーワーラーが館内にやってきて、

 「 まだ見るのか? もう1時間以上経ってるぞ? 」

 と、うんざりした顔で催促してきた。

 「 お前、俺はこういうの見出すと止まらねんだよ。 それにしたって夜のショー演ってないってのが無念でならんわい。 」

 「 何? お前はパペットショーが観たいのか? なら他の博物館で夜7時から演るぞ。 」


 この時、パペットの神が確実に俺に降臨して来た。

 「 何をー!? 向かえーー! そのフォークダンス&パペットショーの会場へーーー!!! 」


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                もう道端にすら 音楽の民がいる街なのだ

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               この素敵な装飾に彩られた外観の建物の中へいざ!!

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               こんな豪華なショーを毎晩上演!? ス、ステキすぐる(((( ;゚д゚)))

 旧市街中心、ジャグディーシュ寺院の裏手にあるガンゴール・ガートの入り口脇にその博物館はあった。

 宮殿のような広い建物全部が博物館となっていて、その内部2階の吹き抜け中庭テラスでそのショーは行われた。


 もうすっごい雰囲気いいじゃん!

 屋内なのに屋外で、装飾カワイイ石造りのパレステラス。

 1本の木がまたいい味だしてる。

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               ハルモニウムも準備されてて 高まりで待ちきれん!!!

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               ロケーション的にもハーレムの王 我の為に舞え、舞うのだ 

 そんで床に座ると、待ってましたとショーが始まる。

 両面太鼓と鈴とハルモニウム&歌の3人の楽団に合わせて、ラジャスターン砂漠の伝統芸であるトラディショナルダンスが次々と繰り広げられる。

 ひとつのダンスに付き1人、または2人でいくつもの違うダンスを披露する。

 それはまったく飽きることなどなく永遠に観ていたい衝動に駆られる。

 途中でパペットショーも入り、箸休め効果も抜群だ。

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               音とリズムと声と動きがインドの夜を震わせる

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               頭の上に火が灯る 

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               そして回る回る 恋の炎はいつだって回転      


 観客は7割西洋人で3割インド人。

 さすがと言うか、西洋人は盛り上げ方が上手い。

 もうちょっとした変化や業がダンスの最中披露されると拍手の嵐。

 タイミングもばっちりの拍手の応酬。

 観客が盛り上がれば当然ダンサー達にもそれは伝わり、笑顔が見られはっきりとやる気のある顔立ちになり、よりいっそう張り切って良い動き、パフォーマンスを魅せてくれる。

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                衣装の色彩も美し~く 華麗に舞い踊り

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                ビシッとキメッ     どやっ!

 ショーは言わば生ライブ。

 ステージに立つ方もオーディエンスに見せる為にそこに立つ。

 そしてそのステージにいるやつを見に来てるのが観客だ。

 両者が同じ気持ちになった時、盛り上がりは最高潮を向かえ素晴らしいライブになるだろ? 見てもらいたいから魅せる。

 見て気持ち良くなりたいから盛り上げる。

 それが 「 ライブ 」 ってもんだ。

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          操り師だって姿なき主役 存在を忘れさせる魂の吹き込みようったらあーた

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                首 ビョ~~~ン芸  こ、こんなの初めて。。。。

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               壺女が登場したと思いきや・・・・!?

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                回りだ~~~す!

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               壺増えだ~~~す!!

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               …で、最終的に10壺アタマに乗せました 。    

 サーカスでもこれくらい盛り上がればいいのにな。

 これを機に是非インド人達にライブの見方を知って欲しいと思うよ。

 来て良かったね、ウダイプル。


 ラジャスターンの砂漠の民、抜ける青空、乾く空気、ロマニーの源流。

 やっぱインドの中でもラジャスターンは一番好きかもなぁ。

 ケララもいいけど。

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               よっしゃぁ~~  ラストいっくぞぉぉぉぉぉ 

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                同じアホなら 回らにゃ ソンソン

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             色も匂いも音も雰囲気がすべて娯楽 五感で感じるエンターテナー               



 そんなこんなで現在は次のラジャスターン州の目的地、プシュカルという街に滞在中。


 なんだかんだでウダイプル、1泊はしたけど滞在は24時間いなかったぜ。

 それなのにこの充足感。

 好きなもの興味あることの時間の密度ってーのは絶対確実に濃い。 普通じゃない。


 それにしてもなんだか最近の旅移動のペースが急ぎ足になってるからか、ついやる事済んだからって移動しちゃってたよ!

 日々全然ゆっくりしてないもん、休みのようで休みでない。

 だからヒマな時やろうと思って持ってきてるディジュも口琴もポイもほとんどやってない。

 やってないというか、やる暇も時間も皆無なんだよ。

 日本にいた時の方が絶対やってるって!

 で、今じゃただのお荷物と化してるぜ。

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               湖上の白いパレスは過去のハーレム現代の高級ホテル

 そろそろ日曜日が欲しいんです。

 朝時間を気にせずに寝ていたいんです。

 丸々一日観光&街歩きに費やさずに宿でまったりしたいんです。

 でもそれをするとインド1周なんて限られた時間では出来ないんです。

 特に俺は見たい所、行きたい所があり過ぎる欲張りの塊のような人物ですから。


 インド1周して過労死なら、ガンガーに流してもらえるのだろうか・・・・



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           砂漠に帰るバスか、来週の木曜日か、どっちが先に来るかのぉ・・・・


    
                                                 From Naokys!



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 『 インド道 23th 』


 「 絶品絶景アラカルト 」  2009年8月31日~9月1日


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            チャイとサモサと男と女 芋の様な食感の米とベビースターもどきがけ


  ~マンドゥ インド中部・マディヤ・プラデーシュ州~


 ナルマダ平野の傍らに聳えるヴィンディヤ山脈が、平野に落ち込んでいく切り立つ崖の上に存在する、なんとものどかな村がマンドゥ。

 かつて、イスラム教国であったマルワ王国が築き上げた夏の避暑地的城砦都市。

 今ではその史跡の傍らで簡素な村が機能停止した城壁の中で同居しているのだ。

 
 長い年月による自然の侵食で木々に飲み込まれたレンガの遺跡が青い空の下、黙然と佇んでいる。

 この先何も変わらないようなゆっくりとした時がこの土地を覆っているかのように。


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               翼竜が飛んでそうな壮大な景色

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                       朽ち果て 浸食され 観光化


 船の宮殿と呼ばれるハーレムはその内装がユニークであり、遊び心が建築に取り入られており、

 「 ここで女達を侍らせていたのか、しかしここなら女達も楽しく暮らせそうだ 」 

 と思わせるお洒落な造り。

 お風呂場や噴水、水路に景観と、現代の感覚からしてみても洒落たセンスがあり、心に余裕があるものと伺えるのだ。

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               ハーレム それは野郎どもの果てなき夢のかたち

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              プールのような風呂場へと続くお洒落水道

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                だが、現代のあとづけはセンスのかけらもなし…

 一番大きなモスクに隣接するホーシャン廟は、大理石で建造された女王のお墓で、あの世界遺産タージ・マハルのモデルとなった廟そうだ。

 これでアーグラーのタージ・マハル、アウランガーバードのタージ・マハルをモデルにしたビービー・カ・マクバラー、そしてここマンドゥのホーシャン廟と、3つの異なるタージ・マハルを見たことになるが、別段そんなに好きではない。


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               とりあえず つかんで持ち上げ タージ・マハール芸



 崖上に立つ離宮や小宮殿の遺跡からは遥か彼方、下方へと滑り降りていく大地の景色が眺められる。

 その斜面の先には霞みながらも大平野が広がり雄大な地平線を形成しているのだ。

 緑に覆われた豊かな大地、巨大な白き雲が真っ青な空を彩り、風は穏やかで鳥の鳴き声とヤギや牛が草を食む音しか自分には届いてこない。

 とても贅沢な気分を味わう事が出来た。


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                夕景の眺めも グッとくる マンドゥ村のとある場所


 知り合いになったインド人が鶏をご馳走してくれた。

 真っ白なブロイラーではなく、その辺りを気ままに走り回っている活発な雄鶏。

 その羽色は茶色や黒、赤の混じったカラフルでとても立派な雄鶏だ。

 インドに来てすでに4ヶ月目に入っているが、いままでで一番辛く、そして一番美味なチキンカレーだった。

 その肉を口にした途端、骨からお肉がするりと剥がれ落ち、しっかりとした歯ごたえ、プリッとした弾力を噛み締めたなと思った矢先、舌の上に辿り着くころにはトロけている魔法のような柔らかさなのである。

 大きな中華鍋で煮込んでいるだけなのに圧力鍋を使ったのかのようだ。

 そして口の中や唇の周りまで感覚が麻痺するほど激辛でもあった。




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               こいつらとニワトリカレーを喰った 御馳走様でした



  ~ボージプール・ビームベートカー マディヤ・プラデーシュ州州都・ボーパール近郊~


 この2ヶ所はそれぞれボーパールという街から、28km(ボージプール)、46km(ビームベートカ)しか離れていないのだが、交通のアクセスがすこぶる悪く、気軽に出掛けるつもりだったのが思いのほか難航した。

 これぞ北インド!と思わす交通の不便さで、仏教八大聖地を巡礼していた時を思い出した程だった。



 ボージプールへはバスで国道を17km進み、分岐点となる小さな町から乗り合いトラクター型タクシーで向かう事になるのだが、そのトラクターが乗車率150%にならないと出発せず、一番最初に乗り込んだ為に40分程待たされることに。

 排気ガスが全て車内(と言っても幌が付いているだけなのでオープン)に入ってくる不思議な仕組みで走る、速度もとても遅いが車窓は水田やとうもろこし畑が一面に広がる田園風景。

 緑の青々とした草の匂いが蔓延しており、そよぐ風に乗ってそれはどこまでも届いていく。


 ボージシュワル・テンプルを観に行ったのだった。

 そこは寺院と言うよりかは、エジプトの神殿を思わせた。

 壮麗でいて威厳のある巨柱に支えられた箱型の建物の中に、これまた巨大なヨニ(女性器を模したヒンドゥー教のポピュラーアイテム)とその上に鎮座する巨大なリンガ(男性器を模したシヴァ神の象徴)が祀られている。

 その大きさは三段重ねのヨニだけで高さ4m近くあり、リンガを含めると6、7mは超す圧倒的な高さを誇っていた。

 これほどまでに大きなリンガは見たことが無く、またこのあまり知られていないボージプールの地にこれほどの物があると言う事実にも驚きを隠せなかった。


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                人間と比較すると 大きさが圧倒  


 ビームベートカへは先の国道まで戻るのだが、あの乗り合いトラクター型タクシーはまたもや人が乗っていないので待つのはもう嫌だと、そのまま歩き出し若者の乗るバイクをヒッチハイクして、バイクに3人乗りで国道まで送ってもらった。

 そこからバスに乗り込むが、そのバスはビームベートカ手前6kmの町までしか行かないのである。

 タクシー代わりに人を乗せていたトラックのキャビンの上部に乗る事が出来たので、なんとか6km先の遺跡の入り口まで連れて行って貰えたのである。


 国道から遺跡までは1本の道が小高い山の上まで続いており、それが上り坂を約3km。

 しかし上り坂だからなのか、体力が無いからなのか、どうみても4kmは歩いてるのでは?と思うくらいに疲労困憊した。

 ここには新石器時代から紀元前後までの岩絵が施されている岩盤がいくつもあるのだ。

 長年の風による侵食で、奇妙で不可思議な形に変化した巨大な岩々が当時の人々を雨風から守る絶好の住処となっていた場所なのである。

 そしてそこには動物や戦闘、狩り、踊りといった様々な時代の岩絵が反映されて描かれているのであった。

 見たいとは思っていたがようやく初めて岩絵という物を目にする事が出来た。

 アフリカやオーストラリアによくある宇宙人的な岩絵が好きで、そういうものはないか?と探したらあった。

 でも宗教的なものと指摘されれば全くその通りで、もしかしたら他所のスペーシーな絵も儀式的な要素を描いたのかも知れなかった。


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                戦か狩りか はたまた遠足か

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                宇宙大戦争 スペーシーな絵柄は画家のイマジネーション力

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                ロボとか登場で 岩絵ムネアツ


 国道までの下り坂、夕方で涼しくなったからなのか、気持ちに余裕が出てきて周りの綺麗な景色に気が付いた。

 緩やかな丘陵が平地に向かって波打っている。

 それはそれは見事な情景の中を歩いているのであった。

 春のごとき小さな白い花が咲き、小鳥がさえずり幾羽もの蝶がひらひらと飛び交い、初夏の牧場のような緑の草原が丘を埋め、晴天の青に圧倒的な積乱雲が何よりも巨大に控えている。

 その懐には灰色の命の水を満々と蓄えているのさえ伺える。

 夕刻も近く、涼やかな風に追われて頭上をトンボの群れが乱舞する。

 時折り高く頭上を旋回しているのは隼の仲間だろうか。

 気が付くと、春夏秋の季節を一辺に味わっていたのであった。

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                どこまでも広い 季節感丸出しのインドの大地

  ~サーンチ、ヴィディシャー インド大陸ど真ん中・中心~


 仏教遺跡である。

 世界遺産である。

 紀元前2世紀頃に建造されたサーンチである。

 仏陀が死んで300年、当時の覇王アショカ王がこの地に築いた3つのストゥーパがある。

 ストゥーパとは仏舎利(釈迦の骨)を保管するために作られた半球型の仏塔だ。

 ここサーンチの遺跡自体はそれほど訪れる価値は無いと思われる。

 世界遺産が好きな人か、仏跡巡りが趣味な人でもないかぎり感動したりするものは無い。

 ただひとつだけ第一塔の四方にある鳥居型の4つの塔門の彫刻だけは見る価値がある。

 むしろ、この塔門がなかったら何を求めて自分がここまでやって来たのか、自問自答してしまうところであった。

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                みんな大好き 割れめちゃん(屮゚Д゚)屮 カモーン

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              一部では日本の神社の元祖では?と囁かれている


 サーンチの先10kmの所にはヴィディシャーという町があり、その近郊にヘリオドロスの柱というなんともインド的でない響きを持つ柱がある。

 見ないでか。

 向かった先は、子供もあまり遊びたがらないような暗くて小さな公園で、そこに1本の柱がまさしく名前負けという言葉がぴったりなくらい細く、短く伸びていた。

 陽が当たらなく弱々しく成長した樹木のようなそれを眺め、心の底からガッカリした。


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               苦労してまで観に来るほどではない ヘリオドロスだった


 ヴィディシャーの町中には、紀元前2世紀に建造されたブラフマー寺院があると言う。

 貧祖だが、明るく楽しげな雰囲気の住宅地に囲まれるようにしてその遺跡は保管されていた。

 ビィージャマンダル、と現地の人の間ではそう呼ばれている。

 インドに限らず世界の歴史のなかではよくある話で、このブラフマー寺院も後のイスラム帝国の手によってモスクに改造されていた。

 もしや紀元前のブラフマー神のご本尊様が見られるのでは?と期待もしていたが、やはりそれは叶うことがなく、外観はヒンドゥー寺院、内装はイスラム・モスク、と混在した遺跡をただ眺めるしかなかったのである。


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               もはや驚くほど歴史を感じさせない過去の遺物



  ~~セントラル・インディア マディヤ・プラデーシュ州の旅~~


   美味しく頂きました。。。



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     よぉ~し! 来週の「ぶらっと、旅る。 インド道24th」は俺らの街だぜ!夜・露・四・苦!    


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プロフィール

ナオキーズ!

はじめまして!             
 旅好き、アジア好き、遺跡好き、神社仏閣好き、大道芸好き、パフォーマンス好き、民族音楽好き、倍音好き。

 人生どうにかなりそう!アジア人を見てそう思い、楽観的・わがままになってゆる~い人生、テンションあげて生きてます。

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